こんにちは、ユーエイエムの後藤です。

以前のブログで

最近では赤身肉ブームということを書きましたが、

赤身肉の食べ方も私では把握しきれないほど出てきています。

 

 

その代表的な例の一つが熟成肉です。

こちらは私と同年齢の40代以上の方に特に人気となってきています。

 

一言に熟成肉といっても畜産関係の私ですら

昔からある製法のウエットエイジングに始まり

最近はやりのドライエイジングに至るまで

簡単に定義できないほどの広がりを見せています。

 

今回のブログでは熟成肉の範囲を

せっかく畜産関係の私が書いているブログなので

時流に乗って「ドライエイジングビーフ」ということに

定義付けさせていただいて書きます。

 

ご存知の方もお見えになるかもしれませんが

そもそも熟成肉が誕生した経緯は

子供を産んだ牛(経産牛)のおいしい食べ方を

研究した結果生まれてきた方法なのです。

 

子供を産んだ牛は必然的に肥育日数が長く高年齢のため

肉質が若い牛よりも味わいはあるのですが、

硬くなる傾向があります。

 

そこで熟成という有効な微生物の力を借り

お肉のタンパク質を分解することで

柔らかくおいしく食べられるようにしたのが

熟成肉の始まりです。

 

話は少しそれますが

鶏肉に例えると名古屋コーチンなどの地鶏は

180日程度肥育しています。

 

それに比べブロイラーの若鶏などはその半分程度の肥育日数です。

 

地鶏は味わいがあるのですが、肉質が硬く

どちらかといえば焼き鳥で食べるなど、

20代、30代などの若い方にはウケがいいです。

40代の私もギリギリですが、地鶏派の年代だと思います。(笑)

 

逆に若鶏は淡白な味ですが、

肉質が柔らかく、

「お年寄りや、お子さん」に人気です。

 

柔らかさと、肥育日数が短く

生産コストがかからない為に安価という

経済的な理由から若鶏が良く食卓には上がるとおもいます。

 

実は鶏肉でも「廃鶏」といって、

卵をたくさん産んだ鶏も時に食べられます。

味わいがありながらもかなり肉質は硬くて、

廃棄されるような扱いなので、かなり価格が安いです。

 

牛でも同じことが言えるのですが

一頭当たりの価格は鶏にくらべて圧倒的に高く生産者にとっても

商品に付加価値がつけられるかどうかは死活問題ですから

 

経産牛でも廃鶏のようにならないよう熟成肉として

付加価値のとれる商品に仕上げたい

という思いもあってのことで熟成肉が編み出されたのです。

 

そうはいっても、

ここ最近熟成肉が多く作られるようになったのは

熟成技術の発展によるところが大きいです。

私の知り合いの焼肉卸の会社でも熟成肉を作っていますが、

以前は腐らせてしまい、失敗することが多かった熟成肉も、

かなり安定的に作ることが出来るようになってきました。

そのことがブームを支える一つの要素となっています。

 

その熟成肉のメリットは先ずは、お肉が柔らかくなる

熟成(エイジング)をかけると

食べるとき2割くらい噛む力を必要なくなるそうです。

 

さらに風味が増す効果があります。

 

好き嫌いが分かれますが、

ナッツのような良い香りがします。

 

基本熟成肉は赤身に対して行いますので

栄養素もタンパク質が良く摂れますので健康食ですね。

 

ただし、熟成肉を食べるとき注意点が幾つかありますが

今回は3点書きます。

 

1点目は「ウエットエイジングについてです。

肉をそのまま吊るしておいて腐らせてしまうような熟成肉の場合

有害な微生物が付着し、

それを食べた人の人体に悪い影響を及ぼす場合があります。

例えば有害な微生物(カビ)には発がん性があり

がんなどの病気になることすらあります。

 

また、食肉業界でチルフロとよばれるものがあります。

チルド流通させる予定で生産した食肉を

賞味期限が切れそうなので冷凍にした食肉を

都合よく熟成肉と称しているケースがあります。

もちろん法律違反ではありませんが

熟成肉と呼べるかどうかには疑問が残ると思います。

 

そういったものも出回っている可能性がありますので

召し上がる熟成肉の背景についても

よく知ってから召し上がられることをお勧めします。

 

あと、個人的趣味で熟成肉を製造するのは

重大な食中毒(死亡事故等)を起こす可能性もありますので

くれぐれも避けていただけるよう、よろしくお願いいたします。

 

今回は少しマニアックなブログになりましたが

最後まで読んでいただき幸いに思います。

ありがとうございました。